不登校からの留学
留学「不登校」に苦しんでいた生徒さんが、元気を取り戻すきっかけになり得ます。
文部科学省の統計によると、「不登校」と認められた小学生、中学生は合わせて13万人弱だったそうです。これは割合にするとなんと中学生の34人に 1人ですから、クラスに平均1人は「不登校」の生徒がいるということになります。今や「不登校」はけっして特殊な事例ではないのです。
昨日まで元気に登校していた児童や生徒がどうして「不登校」になってしまうのか。
保護者は一体何が原因なのか、どうすれば元通り元気に登校するようになるのか、真剣に悩んでいることでしょう。
文部科学省の分析では、直接の原因として考えられるのは「学校生活に起因するもの」が36.2%、次に多いのが「本人の問題に起因するもの」の35%となっています。昔のように「〜君にいじめられた」とか、「~先生に体罰を受けた」というはっきりした原因があるわけでなく、例えば「同じクラブの友達と意見が合わないことがきっかけだけど、別にその時大げんかしたわけでもないし、その後に陰湿ないじめを受けたわけでもない」というような漠然とした理由しか上げられない子供さんが増えているという印象を私たちは受けています。
読売新聞の教育相談室に掲載された記事によれば、ある「不登校」の会に出席した人の過半数は県内トップの高校生や都内の有名大学の学生だったとのことでした。つまり、学力的にレベルの高い人たちが意外に多いというのが、現在の実態のようです。
こうなると、「不登校」はもはや単なる個人の問題ではなく、日本の社会や教育が抱えている大きな歪みを象徴していると言えるかもしれません。「周囲の人間より高い点をテストで取り、人を押しのけてでも勝ち組になれない人間は社会の敗残者になってしまう」という強迫観念に知らず知らずに駆り立てられているのではないでしょうか。
もちろん、小学生や中学生がここまで明確に自分の置かれている環境を捉えているかは疑問ですが、でも、漠然とそのような得体の知れないストレスやプレッシャーを感じていることもあるいは「不登校」の原因の一つになっているのかもしれません。
私たちは、世界中の教育の実態についてすべて知っているわけではありません。けれども、日本ほど競争を強いられたり、社会全体がストレスやプレッシャーに満たされずに、児童や生徒がのびのびと、しっかりした教育を受けている国をいくつか知っています。そういう環境で、日本では「不登校」に苦しんでいた生徒さんが、本来の意味で学ぶ意味と面白さを発見して変わったというケースをいくつも知っています。一方で、思い切って留学をしたが、海外の異なる言語や文化、習慣に馴染めず、日本に帰ってきて、そこでやり直してうまくいったというケースも知っています。
ですから、「不登校」の生徒さんがみな中学留学なり、高校留学なりをすれば問題が即座に解決するというわけではありません。それでも、お子さんが少なくとも自分というものをもう一度よく見直し、自分にふさわしい生き方を見つける機会になる可能性が高いということは自信を持って言えます。
「不登校」の問題でお悩みの人や保護者の方がいらっしゃいましたら、どうぞ一度お気軽にご相談ください。