高校留学の基礎知識

イギリスは高校留学に適した国

はじめに

留学は、人生の中でも一つの大きな節目のイベントになることでしょう。
しかし、滞在先で何を経験し、どのようなスキルを身に着けることができるかは、どの国に留学するかによっても大きく変わります。

人気のある留学先はたくさんありますが、その中でも、イギリスは留学するメリットの多い留学先として注目されています。

そこで、イギリスに留学を検討する際に役立つ情報をご紹介します。

イギリスに高校留学するメリットとは

高校生の時にイギリスに留学するメリットは、数多くあります。
留学する方法は高校留学以外にもありますが、高校生の感受性や吸収する力のある時に留学することによって、より一層、留学からたくさんのことを学べることが期待できるためです。

それでは、イギリスを留学先に選んだ場合のメリットを見ていきましょう。

英国英語を習得できる

留学といえば英語と連想してしまうほど、海外生活に英語は欠かすことができません。
英語を母語としない国に行く時でも、英語を話せるかどうかで、現地での意思疎通の割合が大きく変わる可能性があります。
母語が英語の国であるイギリスでの生活によって、英語を習得することができるでしょう。

しかも、イギリスで使用されている英語は、アメリカで使用されている英語とは異なり、独特の言い回しや発音を持ちます。もともと英語がイギリスで発生した言語ということを考えると、イギリスで話されている英語こそ本来の英語ということもできるかもしれません。
イギリスで生活をすることにより、日本の英語教育では学ぶことのできないイギリス英語に触れる機会を多く持つことができます。
一般的に、イギリスで使用されている英語は、格式高いものとして知られています。イギリス留学で、自身の英語をイギリス式の発音や言い回しにブラッシュアップすることができれば、その後の英語力の向上においても大きな役目を果たすことでしょう。

教育水準が高い

イギリスは、教育水準の高さでも注目されています。
その理由としては、イギリスには、私立の大学がほとんどないためです。私立大学がないということは、ほとんどの大学が国の水準をクリアした学校ということになります。イギリス政府は、教育に関して高い水準を設けており、その基準をクリアできる水準を保つことが義務となっている公立の学校が多いことによって、イギリス全体としての教育レベルが高い水準に保たれているのです。

特に、オックスフォード大学やケンブリッジ大学は高い評価を受けています。
高校の時からイギリスの文化や言語にふれ、たくさんのことを学ぶ土壌が完成していれば、こうした名門と呼ばれる大学への進学も決して夢ではなくなるでしょう。そのような名門とされる学校は産業界との結びつきが強く、即戦力となる人材の育成のために、常に教育の質が高いものとなるように工夫されています。こうした高い水準が保障された安定した環境の中で勉強に励むことができることも、イギリス留学ならではの魅力といえるでしょう。

日本人が少ない

イギリスには、それほど多くの日本人はいません。
そのため、アメリカに留学する場合と比べると、日本語を話せる機会は限られることでしょう。日本人留学生は全体で4000人くらいはいるようですが、イギリスの国内で出会うことは、ほとんどないといってよいでしょう。
日本の学校と提携している語学系の学校への留学の場合は、イギリス英語を学びたい人たちが留学するため、学校でもネイティブのイギリス英語に接することは少ないかもしれません。
しかし、語学系以外での留学の場合は、イギリス英語に没頭できる環境で学ぶことができます。そのため、日本語を話すことなく、ひたすら英語で学び、英語でコミュニケーションがとりたいと思う方にとっては、イギリスはニーズに合う国ということができるでしょう。

ヨーロッパへのアクセスがいい

留学中は、学びの一環として近隣の国にも足を伸ばし、見聞を広めたいものです。
その点で、イギリスはヨーロッパ諸国へのアクセスが大変便利です。そのうえ、低予算で旅行することができるため、イギリスを拠点として、周辺諸国を旅することも気軽にできることでしょう。
こうした旅行は、勉強の合間や長期の休暇の時に実施することができます。こうした機会にたくさんの経験をしておくことは、その後の人生の大きな糧となることでしょう。

イギリス留学に必要なもの

留学には、事前に行う準備が必要です。
事前に行う準備がどのくらいしっかりしているのかによって、留学そのものの質も変わってくるかもしれません。
それでは、どのようなものを準備すれば、イギリス留学を充実したものにできるのでしょうか。

平均的な費用

留学をするとなった場合、留学に関係する事柄でかかる費用の総額を計算し、資金を作る必要があります。
学校の授業料、滞在のための生活費、また行き帰りの飛行機代などが必要となりますが、それでは、どのくらいの費用を用意すればよいのでしょうか。

短期での留学の場合、コースの選択や滞在期間によって、かかる費用にはかなりのばらつきがあります。
数々の留学パターンがあるため、限られた予算であっても、その範囲内での留学先を探すことが可能です。1週間ほどの短期留学の授業料であれば、3万円以内で収まることも多いです。加えて、どのような場所に滞在するか、飛行機代がいくらくらいかかるのかは、その時々の状況によって変わってくるでしょう。

長期での留学の場合は、ある程度まとまった資金が必要となります。
まず、1年間の授業料が少なくとも130万円ほどかかることが多く、コースによっては300万円近くかかる場合もあります。毎月の生活費なども含めると、年間に500万以上はかかると考えておくとよいかもしれません。
毎月の生活費は、おそらく日本とさほど変わらないため、日本でかかる金額の相場をある程度イメージしておきましょう。

留学に必要なビザ

イギリスで就学するためのビザは、全部で5種類あります。
その中で、自分のニーズに合ったビザを取得しておきましょう。

短期学生ビザ6か月

このビザは、入国審査の際に空港で発行してもらうことができるビザです。
日本国籍の方なら、必要な書類をきちんと持参すれば、比較的簡単に発行してもらえます。特徴としては、6か月未満の留学、就労不可、ビザの延長不可、語学力の証明不要となっており、イギリスの語学学校や高校で6か月以内のコースを受講する人が対象となります。

短期学生ビザ11か月

このビザは、短期学生ビザ6か月と、対象となる期間だけが異なるビザです。
日本国内で発行してもらう必要があります。

学生ビザ(Tier4 General)

このビザは16歳以上を対象としており、6か月以上の長期留学をする際に発行されるビザです。就労も週に20時間まで認められており、ビザの延長も現地で可能です。
ただし、語学力や留学資金の証明が必要となります。

学生ビザ(Tier4 Child)

18歳未満を対象とした長期留学用のビザです。
語学力の証明は必要ありませんが、学校が入学を認めた根拠を明示する必要があります。

ワーキングホリデービザ

18歳以上30歳以下が対象のビザで、フルタイムでの就労が可能です。最大で2年間滞在できますが、期間の延長はできません。また、高校留学には向きません。

このように、イギリス留学の際に取得することのできるビザはいろいろありますが、高校留学をする場合、ほとんどのケースには学生ビザ(Tier4 Child)の取得となるでしょう。
自分に必要なビザをしっかりと把握しておき、前もって準備を進めておくとよいでしょう。

イギリスの高校の教育制度

イギリスでは、16歳で義務教育が終了します。
イギリスの特徴としては、「卒業」という考え方がないことを覚えておきましょう。
日本における高校1年生にあたる「イヤー11」という年に、GCSEという統一試験を受け、それがその後の進学や就職の一つの選考基準として重視されます。
そのため、この歳の生徒たちはシビアな試験に立ち向かうべく、猛勉強をしているのです。

イギリスでの勉強のスタイルは、知識を詰め込むタイプの勉強ではありません。
基本的には、得た知識を用いて、物を考えていくことを重視しています。そのため、試験のスタイルも暗記したものを答える穴埋めというよりは、自分の考えをまとめていく記述式が多く、留学の際には自分の考えを書き表すことができる英語力は求められるでしょう。
また、授業でも、一方的に先生の話を聞くというスタイルではなく、自分の意見を積極的に述べるスタイルのため、ただでさえネイティブより英語力にハンデがある留学生は、慣れるまで戸惑ってしまうかもしれません。

このように、勉強に熱心な国ではありますが、座学だけをひたすらやるというわけではなく、スポーツや芸術、社会活動などは大変重要なものとして認知されており、放課後の時間をどのように用いるかも、留学している期間は大切なものとなることでしょう。
そのため、イギリスの高校はクラブの数も大変多く、充実した学生生活を送ることができるように万全の体制が整っています。

イギリス人の人柄

イギリス人というと、どのような印象をもたれるでしょうか。
もちろん性格は人それぞれであるため、一概に決めつけることはできませんが、一般的に言われているイギリス人の特徴としては、下記のようなものがあります。

他の人と適度な距離を保つ

ヨーロッパの人たちは、わりと社交的にスキンシップを望むものですが、イギリスの人たちは、ある程度の距離をしっかりととることを望む傾向があるようです。一見冷たいようですが、これは相手を尊重する気持ちの表れでもあるのです。
特に、過度なスキンシップを嫌います。外国はみな同じという意識で礼儀をわきまえずに接してしまうと、イギリスではあまりよく思われないということもあるでしょう。
仲良くなればまたその関係性や距離感は全く変わってきます。そして、友情をとても大切にします。そういう深いお付き合いができるよう、しっかりとコミュニケーションを取ることが大切です。

アメリカをライバル視している

同じ英語を話す国だからかもしれませんが、イギリスにとってアメリカは、成り上がりの新参者というような存在です。
また、自分たちの英語こそ、本来の英語であるというプライドもあるでしょう。そのため、軍事的、経済的な力は認めても、伝統や文化は自分たちのほうが上であるというプライドを持っています。特に、英語こそはこちらが本来の英語であるという認識が高く、それを独特のユーモアで表現しています。

軟な思考と人間性が重視される

イギリスでは、たとえ名門校を出ていたとしても、就職が安泰というわけではありません。
なぜなら、イギリスでは、人間性を非常に高く評価するためです。日本においては、良い大学を卒業していれば就職は安泰というイメージがあるかもしれませんが、イギリスでは、成績だけでなく人間性を重視します。
そのため、ボランティア活動の実績などがある場合、日本やほかの国よりも、人間性を表す行動として高く評価されるでしょう。

回りくどい婉曲な表現が教養の表れ

外国人は、自分の思っていることを単刀直入に表現するというイメージがあるかもしれませんが、実のところ、イギリスではその逆といえます。
イギリス人は自分の主張があったとしても、それをストレートに話すことはほとんどありません。できるだけ柔らかく、オブラートに包む話し方は、日本人の精神と通じるところがあるかもしれません。同じ島国で、生活するスペースが限られた中での生活だったため、お互いがぶつかり合うことのないように表現する文化が発達してきたのかもしれません。
その点は、同じ島国である日本とも非常に似ている点といえるでしょう。
また、シェークスピアに代表されるドラマが大変発展した国ですから、ストレートで単純な表現より、婉曲で深い表現が教養の表れと理解されて好まれる傾向があります。

まとめ

このように、イギリス留学には、イギリスならではの魅力がたくさん詰まっています。
留学を検討している方は、イギリスを候補の一つに入れてみてはいかがでしょうか。
長期での留学の前に、1か月程度の短期留学によって、その土地の風土を感じてみるのもよいでしょう。百聞は一見に如かず。お試しで、現地に滞在してみるのもよいかもしれません。
いずれにしても、留学によって、かけがえのない経験を手に入れることができるでしょう。
ご興味のある方は、一度お気軽にご相談ください。

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