留学体験談

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ある高校生の英国への旅立ち
氏名 匿名
出身地 広島県
留学先 イギリス
留学期間 2009年4月

先日「英国ビザ審査期間の実態」の中でご紹介をしたビザ申請まで30日かかった方が、昨日成田空港から予定通りイギリスへ飛び立ちました。この方は広島県に住む男子高校生で、イギリスで高校卒業資格に相当するAレベルの取得を目指して留学を開始したのですが、感心させられたのは16歳という若さにも関わらず、留学先の設定から渡航の準備までほとんど親御さんの手を借りずにご自分でされたということです。

昨日はこの方の飛行機のチェックインのお手伝いと最終オリエンテーションをするため私も成田空港へ出向いたのですが、そこでお母様から御本人が留学を思い立ってから今日に至るまでのお話をじっくりと伺うことができました。最初はお母様はじめご家族の皆様はカナダやその他の国を留学先候補として挙げたこともあったようですが、御本人が「行くさきは自分で決めたい」と強く主張するので、「じゃ、自分でどこまでできるかやってごらんなさい」と突き放したのだそうです。お母様としては、どうせ出来ないに決まっているからそのうち本人の方から折れて相談に来るだろうと読んでおられたそうですが、彼は最後まで意地を通してエージェント選びから学校選び、そして出発の荷造りまでほとんどすべてを親御さんに頼らず自分でやり遂げたそうです。そして、この日の出発を迎えたわけです。

学生ビザの申請時期がたまたま審査場所のフィリピン移動とポイント制の導入という変革時期に入ってしまったこともあったためか、通常よりも長い期間待たされ、その間苛立ちと不安を感じたことと思いますが、結果的に旧システムでの申請が出来たために、英語力の証明なしに準備コースからA
レベル修了まで2年半もの期間まとめてビザが認められたことは大変ラッキーだったと思います。もし、新制度で申請していたら、夏休み中に一度帰国して再度ビザを取得し直してから出国しなければならなかったでしょうから、御本人の希望する形での留学はできなかったことでしょう。

そして本日、イギリスのガーディアンから彼が無事ロンドンに到着し元気である旨の報告が入りましたが、ガーディアンが日本の家族へ国際電話をして無事であることを知らせるよう促したにも関わらず、本人は敢えて電話をしなかったとのことでした。

この件に関して一言説明しておきます。成田空港で出発直前私は本人に「留学生は何かと大変でなかなか余裕が持てないかもしれないけれど、たまにはお父さんお母さん、ご家族の方に元気でいる声を聞かせてあげてね」と話したのです。すると、彼は「僕は友達にもこれからはしばらく連絡も取らないし、こちらにも連絡をしないでくれ、と頼んだくらいだから、余程のことでもない限り家にも連絡はしないつもりです」と答えたのです。お母さんのお話では送別会は3回も開かれたということですから、彼に友達がいないということでは全くありません。また、ガーディアンは同時に「とても感じの良い青年で安心しました」と感想を述べていましたが、彼はエゴイストでは全くなく、周囲に大変気を使う人間でもあります。それでも、敢えて自ら日本とのつながりをしばらく絶とうとしているのは、それだけ彼がイギリスでの留学生活に全身全霊をそそぐという堅い決意をもって臨んでいるということだと私は感じました。最後までこの意志を貫徹し、成功を収めて欲しいと念じないではいられません。

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