中学・高校留学の基礎知識

不登校留学で覚えておくべき大切なこと

はじめに

学校に行きたいのに行けない、明確な理由はないが行きたくないというように、何らかの理由でいわゆる不登校になってしまう方は少なくないのですが、そのような方の中には海外に留学したいと考える方もいます。
日本だと自分には合わない、海外で伸び伸びと学びたいと考える方もいますが、果たして不登校でも海外留学は可能なのでしょうか。

不登校・中退でも海外留学はできるの?

不登校や中退でも海外留学ができるのか、というのは気になるところでしょう。
いろいろなパターンがありますので、一つずつご説明していきます。

学校に在籍中の場合

学校に在籍している場合、海外への留学は可能です。
特に何の問題もなく海外へ留学できるため、心配することはありません。例えば、日本の高等学校に籍を置いたまま短期から1年程度の留学をするケースだと、履修の一部が単位として認められる場合もあります。

もちろん、帰国後に復学するということも可能なので、海外で学んでからもともと通っていた学校に復帰する場合も多いでしょう。
ただし、これは在籍している学校によって違いもあるため、念のため、前もって学校側に確認しておくことをおすすめします。

通信制高校に在籍しながら渡航

周りに馴染むことができず、「日本の教育システムに自分は合っていない」と考える方は少なくないでしょう。
さまざまな理由で学校を辞めてしまう方はたくさんいますが、学校を中退したからといって将来を悲観する必要はありません。高校を中退していても海外留学はできますし、学校を辞めて海外留学したという方はたくさんいます。

オーストラリアやニュージーランドの高校に通って学び、日本に帰国すれば帰国子女枠での受験が可能になるのもポイントです。
日本の大学受験では帰国子女枠を設けていることも多く、日本の高校を卒業して大学受験を受けるより、海外留学から帰国して帰国子女枠で受験したほうが一流大学に入学できるチャンスも広がるのではないでしょうか。

中退してからの海外留学

通信制で学んでいる方は少なくなく、ライフスタイルを考慮した結果通信制を選ぶという方は大勢います。
さまざまなメリットもある通信制ですが、日本における通信制高校だと海外での履修を年間30単位まで認めています。そのため、通信制高校に籍を置いたままで海外留学するという選択肢を選ぶ方も、年々増加傾向にあります。

通信制高校によっては、海外留学に積極的なところや、海外に提携している姉妹校などがあるケースもあるようです。
このような通信制高校だとより学びやすく、初めての海外留学でも安心できるのではないでしょうか。

不登校留学のメリット・デメリット

不登校留学にはさまざまなメリットがありますが、同時にデメリットもあります。
メリットばかりを見てしまうと、後でデメリットに当たったときに後悔してしまうことも考えられます。そのため、メリットとデメリットの両方をしっかりと理解しておくことが大切です。

視野を広げることができる

不登校になった方が海外留学を決意するには相当な覚悟が必要です。自分を変えたい、人生を変えたいと考える方もいるでしょう。そうした時、住む場所を変えることで人生を変えることも可能です。会う人と住む場所を変えれば人生は変わるともいわれています。そのためには、海外留学はもっともベストな選択となるのではないでしょうか。
不登校だと自宅に引きこもりっぱなしということも多く、自分の視野を狭くしてしまっているケースも少なくないでしょう。中学生・高校生という多感な時期は、視野を広げるどころかどんどん狭くさせてしまいます。そうならないためにも、海外に留学することで日本とは違った刺激を受けることも大切です。
さらに、異文化に触れることで視野もどんどん広がっていきます。これは大きなメリットの一つと言えるでしょう。

自主性を養うことができる

島国で育った日本人は消極的で自主性もないと評されることがあります。確かに、海外の方は思ったことをズバッと口にすることが多く、自身の主張を押し通すことも多いです。一方、日本人は周りに流されやすく、自分の意見もあまり言わないということが多いのです。
しかし、グローバル化する社会の中では積極性や自主性も必要なものになるでしょう。

海外に留学することでいろいろな国の人に触れ合うことができます。というのも、留学先にはその国の生徒だけでなく、いろいろな国からも留学生が来ている可能性があります。そうした環境でいろいろな国の人とコミュニケーションをとることで、積極性や自主性も養われるでしょう。海外では消極的なままでは友達も作ることができないかもしれません。そうして、海外での学校生活を通じて、日本にいた頃とは別人のように生まれ変わるということも十分可能でしょう。

自分に自信がつく

これは不登校の方が海外に留学することで得られる最大のメリットではないでしょうか。周りに日本人がいない環境の中で自分の力だけで生きていくのですから、それが大きな自信に繋がるはずです。
特に留学したての頃は、頼れるのは自分自身という状況なため、自分の力で何とかしようと考えるようになります。それがうまくいったときには、自分はもう大丈夫だと強く思えるようになるのではないでしょうか。

海外で学ぶことで語学力も身につきます。英語圏の国に留学すれば英語力が向上し、日本ではなかなか学ぶことができない本場の英語をマスターすることができるでしょう。これも結果的に、ネイティブと当たり前のように会話ができるという自信に繋がるはずです。

留学は費用がかかる

これは、海外留学するうえで誰もが直面してしまうデメリットです。
もちろん、これは不登校の方が留学するケースに限った話ではなく、普通に登校している子供が留学する際にも多額の費用がかかるものです。このコスト的な部分を解決することができず、結局留学を諦めてしまうというケースは決して少なくないでしょう。

では、具体的に海外留学にどれくらいの費用がかかるのかということですが、入学金や授業料、滞在費、食費、交通費、交際費、保険料、パスポート取得料などがかかります。
これは留学にかかる費用の一部で、実際にはほかにもいろいろな費用がかかってきます。留学先や期間、利用するエージェントなどによってもかかる費用が変わるため、ある程度多額の費用が生じるのをデメリットと感じるでしょう。

余計にストレスになることも

不登校の方が人生や自分を変えるために海外へ留学するというのは、一種の荒療治やショック療法のようなものです。
日本で周りの人とコミュニケーションを取ることができなかった人が、言葉も通じない異国で周りの人とスムーズにコミュニケーションをとることは難しいでしょう。海外留学したことが逆にストレスになってしまうことも考えられます。

もちろん、環境を変えることで気持ちが解放された、これまでの自分に決別できたという方は大勢います。留学したことで変わることができた、留学して良かったという方が多い一方で、日本と同じように周りと打ち解けることができず結局すぐに日本へ戻ることになった、という方がいるのも事実です。
家族ともしっかり話し合ったうえで、しっかりと覚悟を持って留学を決意してください。

不登校留学の注意点

不登校留学のメリットとデメリットについて前述しましたが、ここでは不登校留学における注意点についてお伝えします。

教育制度の違い

当然のことですが、日本と海外の諸国では教育制度が異なります。
すべての国が日本と同じような教育制度を設けているわけではないため注意が必要です。日本だと小学校で6年間、中学校で3年間の義務教育が実施されていますが、国によっては義務教育の期間がもっと短いところや長いところも存在します。
留学を検討しているのであれば、その国の教育制度について調べておきましょう。

卒業資格が異なる

留学先の高校を卒業しても、日本の高校卒業資格とは異なります。
海外の高校を卒業しただけでは、受験資格として認められないというケースもあります。帰国子女枠で受験するという手もありますが、基本的には、日本の卒業資格とは違うということを覚えておかなければなりません。
そして、もし、帰国子女枠での受験を希望する場合は、自分が条件を満たしているかどうかを、きちんと調べたほうがよいでしょう。

語学力の低さ

英語がまったく話せないのに海外留学してしまい、結局挫折するというケースがあります。海外にさえ行けば何とかなると考える方もいますが、これは大きな間違いです。多少の英語が話せないと、すぐにリタイアしてしまうことになるかもしれません。
そのため、まずは留学先で授業についていけるくらいの英語力、具体的には文法の基本的な知識とある程度の語彙力は、身につけておくべきでしょう。

食事に慣れない

日本と海外では食文化も異なるため、海外の食事が口に合わないということも十分考えられます。海外にも日本食レストランなどはありますが、毎日外食だと栄養も偏ってしまい、何よりお金がかかります。
ホームステイではその家の食事に慣れないといけませんが、なかなか海外の食事に口が慣れないということもあるでしょう。これも、あらかじめ注意しておきたいポイントです。
好き嫌いが多い人は、今から少しずつでも克服しておくことをおすすめします。

留学後の進路は?

留学する前にはさまざまな不安が湧きあがってきたり、いろいろな疑問や悩みも出てくるものです。これは仕方のないことではありますが、留学してからのことばかり悩むより留学後のことを考えることも大切です。
留学は短期から1年、もしくは数年程度のものです。それに比べると留学後の人生のほうが遥かに長いため、留学後のことをきちんと考えることは大切です。

海外で卒業した場合

海外の高校に留学し、そのまま現地の学校を卒業した場合だとそのまま現地の大学に進学するようなケースも多いです。現地で学んだことをそのまま活かすことができ、せっかく身につけたネイティブの感覚を失うこともありません。
また、大学以外にも短大や専門学校に進学し、就職するケースもあります。海外に根を張って暮らしたい、日本にはもう戻るつもりがないという方だと海外の企業へ就職してしまうことが多いです。

日本に帰国する場合

日本の大学には、特別入試枠を設けているところも多くあります。
帰国子女枠を利用して受験することも可能です。前述したように、日本と海外とでは卒業資格が異なるため、一般入試では大学を受けることができない場合もありますが、帰国子女枠やAO入試であれば、受験できる大学がたくさんあります。

日本で就職する場合

日本に帰国して就職するというのも一つの手です。海外留学していた経験を活かせる企業や、英語力の高い人材を欲している企業もあるでしょう。外資系企業だと特に高度な英語力を持つ人材や、留学経験のある人材を求めていることも珍しくありません。
そのため、外資系企業に絞って就活してみるのもよいでしょう。

まとめ

不登校の方が海外留学することで押さえておくべき注意点や、メリット・デメリットなどについてお伝えしてきました。
海外に飛び出すことで、新しい自分に気付いたり、これからの人生を違ったものにすることもできるでしょう。
ただし、極端に海外留学に期待しすぎるのは要注意です。海外に行きさえすればどうにかなると考えて留学するのではなく、「自分を磨くため」「新しい環境で刺激を受けるため」「経験値を高めるため」といった目的意識をしっかりともつことが大切です。
行き当たりばったりで決めるのではなく、慎重にじっくりと検討しましょう。

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