高校留学の基礎知識

海外の学校はここが違う

多種多様な学校環境

施設・設備面

施設や設備面で見た場合、教室や体育館、図書館、コンピュータ室、理科実験室などの基本的な施設設備はどこの学校にも備わっていますが、例えば、演劇や音楽専用の劇場、室内温水プール、フィットネス設備、音楽レッスン用個室、ゴルフコース、厩舎と乗馬施設、学生寮、などの施設や設備をほとんど、あるいは一部所有している学校もあります。変わったところでは、射撃場を持ち校内でクレイ射撃の練習ができるという学校もあります。特定のスポーツや芸術などを学びたい場合には、そのような施設や設備が充実している学校を選択したほうが有利なことは言うまでもありません。

学校の規模

違いがあるのは施設や設備面ばかりではありません。全校生徒数も200人足らずの小規模校もあれば3000人程度の大規模校もあります。1クラスの人数も30人近いところもありますが、少ないところでは10人以下というところもあります。規模が大きい学校は生徒のさまざまなニーズに応える必要から選択科目やクラブ活動が多彩で充実しているというメリットがあり、規模が小さい学校は校長先生が生徒全員の顔と名前を覚えるくらい細かいところに目が行き届くというメリットがあります。ご本人の適性や興味などを踏まえて相応しい規模の学校を選択することが望ましいでしょう。

学校のレベル

保護者の方々から学校のレベルについての質問をしばしば受けます。日本では私立校はもちろんのこと、公立高校でも入学試験での合格ライン偏差値で細かくランク付けされていますので、外国にもそのような偏差値があると考えていらっしゃる方が多いのですが、受験産業がほとんど発達していない諸外国には日 本の入学偏差値に対応するような数値やものさしはないと考えてよいでしょう。しかし、卒業生の大半が大学へ進学するいわゆる進学校という学校もあれば、半数以上が大学進学以外の進路を選んでいるという学校があることは事実です。進学校の場合、当然のことながら授業の進度は速いですし、レベルの高い宿題や課題がたくさん出されます。一方、大学進学率がそれほど高くない学校は、授業の進め方もゆっくりな分、クラブ活動などを伸び伸びと楽しむゆとりが持てます。 ご本人の学力や留学目的に相応しい学校を選択しましょう。

中学留学、高校留学先の学校が実に多種多様な学習環境を持っていることは上記の説明でご理解いただけたと思いますが、留学先を決定する上でもう一つ大切なことがあります。それは、留学生の受け入れ態勢です。

英語授業<ESL、ESOL>

留学先の学校では授業はすべて英語で行われるわけですが、最初から授業についていけるだけの英語力を持っている留学生は極めてまれです。ほとんどの留学生は、ESLもしくはESOLと呼ばれる留学生だけを対象とした英語の集中レッスンを受けながら、通常の数学や理科などの授業を受けることになるのですが、そのESLシステムは学校によってかなり異なります。十分な英語力がつくまで最初のうちはほとんどESLばかりの授業を受けられるところもあれば、1週間 に5時間程度までの補助的なESLしか受けられないところもあります。また、中にはESLだけでなく、放課後に留学生を対象とした一般科目の補習授業を行っている学校もあります。英語力にどうしてもハンデのある留学生は、なかなか一般科目の授業が理解できないので、放課後に補習を受けることで、すこしでも現地の生徒たちに追いついて試験などでよい成績を取れるよう配慮されているのです。

日本人留学生の人数

皆さんが気になさることの一つに、日本人留学生の人数というのがあります。これも実にまちまちで、ほとんどいない学校もあれば数十人の日本人がいるという学校もあります。
全くいないと心細いと感じる人もいるでしょうけれど、日本語が常に耳に飛び込んでくるような環境は留学先としてはあまりお勧めできません。

中学留学、高校留学では選択科目が山ほどある!

中学留学、高校留学では、たくさんの選択科目に出会うことになり、皆さんを驚かせるでしょう。国や学校によって異なりますが、例 えばスペイン語、フランス語、ドイツ語、中国語などの外国語や、演劇、ダンス、バレエ、ジャズ、映画制作、ビデオ制作、グラフィックデザイン、写真、ファッション、アニメーションの芸術系の科目、コンピュータ、ビジネス、ア ウトドアレクリエーション、スポーツ科学、ダイビング、海洋生物学、乗馬、ゴルフ、幼児教育、ホスピタリティなど日本の高校では滅多にお目にかかれない選択科目が用 意されています。多いところでは、なんと200科目近く用意している学校もあります。更に同じ科目でもレ ベルによってクラスが分かれているため、自分の学力や目的に応じたクラスを選択することが可能となります。もちろん、国語、数学、理科(物理、化学、生物、地学)、社会(歴 史、地理、政治経済、倫理、現代社会)、芸術(音楽、美術、工芸)、体育、家庭科など、基本科目はどの学校でも用意されています。

中学留学、高校留学先の学校では生徒の発言が中心の授業!

中学留学、高校留学先の学校では、先生が板書したものをノートに写すというような一方的な講義形式ではなく、生徒は教師から指名されるのを待つという受身の姿勢ではなく、どんどん発言することを求められます(安心してください。みんながそうしていますから、大丈夫)。一つのテーマが与えられてそれについて各自が研究して発表をしあったり、一つの議題を皆でディスカッションしたりディベートしたりするので、より刺激があり楽しく感じるようです。もちろん、イニシアチブを取るのは多くの場合教師ですが、教師が問題をクラス全体に投げかけると、生徒たちはああでもない、こうでもないといっせいに話し始めます。水を打ったような静かな授業風景に慣れている日本人から見ると驚くくらい騒々しいでしょうが、その話している内容に耳を傾けると、みな教師の発言したことと関連性のある話をしており、日本の高校のように私語を交わしている生徒はほ とんどいません。当然試験などの内容も日本とは大きく異なり、教わったことをただ丸暗記して解答するのではなく、自分なりの解釈や意見を求められることが 多いので、受身の授業に慣れている人には少々厳しいかもしれませんが、慣れてくると遣り甲斐があって面白く感じるようです。先生が板書したものをノートに写すというような一方的な講義形式ではなく、一つのテーマが与えられてそれについて各自が研究して発表をしあったり、一つの議題を皆でディスカッションしたりディベートしたりするので、より刺激があり楽しく感じるようです。

中学留学、高校留学の学校ではいろいろなクラブ活動を楽しめる!

日本の中学や高校の場合、運動部にいったん所属してしまうと、週末まで練習漬けになるのが一般的ですが、中学留学、高校留学先の 学校では、サッカーやバスケットなど激しいスポーツでも、練習は週に1回か2回で週末の1日が試合という程度です。例えばラグビー部に所属しながら、演劇 活動を行うということも十分可能です。また、通常スポーツはシーズン制なので、冬はサッカーをやって、夏は水泳をするということも可能です。体格や体力は 現地の生徒のほうが恵まれていますが、敏捷性やテクニックは日本人生徒のほうが優れている場合が多いので、高校留学先で入部するとすぐに中心選手となって 活躍する日本人はたくさんいます。中には学校代表として他都市に遠征したり、海外遠征をしたりする人もいます。

中学留学、高校留学ではいろいろな国籍の人たちとお友達になれる!

日本の中学校や高校の場合、99%か100%が日本人ですが、中学留学、高校留学先では、10%から20%程度の生徒たちは、 様々な国々から留学してきています。ですから、例えばカナダへ留学した場合、当然カナダ人生徒と友達になれる確率は最も高いですが、アジアやヨーロッパの 国から留学してきた生徒と友達になれる可能性も高いのです。実際に、カナダの高校でメキシコ人留学生と仲良くなって、お休み中にメキシコの自宅へ招待され たり、イギリスの高校で香港の留学生と仲良くなって、香港の自宅へ招待されたり、逆に日本の自宅へ招待して良いお友達になったという例はたくさんあります。

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